おべんきょぶろぐ

都内理系大学生が数学/物理等の解説をあげていくブログです。

Legendre多項式関連の式

Legendre多項式についての次の式の証明がネットで調べても見つからなかったので紹介しておきます。 \[\label{main} \tag{1} P_n(\cos\theta)=\cfrac{1}{n}\sum_{r=1}^n\cos(r\theta)P_{n-r}(cos\theta) \] まず、n=1,2については、 \[ P_0(x)=1,\ P_1(x)=x,\ P_2(x)=\cfrac{3x^2-1}{2}\]などから直接示すことができます(cosの加法定理を用います)。 次に、n=k,k-1での成立を仮定します。 ここで重要になるのは、cosについての次の式です。 \[ \tag{2} \cos(r+1)\theta+\cos(r-1)\theta=2\cos\theta\cos r\theta \] また、ボネの漸化式と呼ばれる以下の漸化式も、今回の証明に利用しますが、そうでなくてもLegendre多項式の重要な式の一つです。 \[\begin{align} \tag{3} (n+1)P_{n+1}(x)=(2n+1)P_n(x)-nP_n(x)\end{align} \] 以下、 \[ Q_n(\theta)=\sum_{r=1}^k\cos(r\theta)P_{k-r}(\cos\theta)\] とします。このとき、(1)式は \[ P_n(\cos\theta)=\cfrac{1}{n}Q_n(\cos\theta) \] と書けます。また、(2)式より、 {\displaystyle \begin{align} 2\cos\theta Q_n(\cos\theta)&=\sum_{r=1}^k\cos(r+1)\theta \ P_{k-r}(\cos\theta)+\sum_{r=1}^k\cos(r-1)\theta \ P_{k-r}(\cos\theta)\\ &=\left(Q_{k+1}(\cos\theta)-\cos\theta\ P_k(\cos\theta)\right)+\left(Q_{k-1}(\cos\theta)+P_{k-1}(\cos\theta)\right)\end{align} }
となります(1行目→2行目は余分な項を引いて帳尻を合わせています)。 さらに変形を進めて、
{\displaystyle \begin{align} Q_{k+1}(\cos\theta)&=(2k+1)\cos\theta\ P_k(\cos\theta)-k\ P_{k-1}(\cos\theta)\\ &=(k+1)P_{k+1}(\cos\theta) \end{align} }
これは、(1)式がn=k+1でも成立することを表しています。 以上より、任意の自然数nに対して、 \[ P_n(\cos\theta)=\cfrac{1}{n}\sum_{r=1}^n\cos(r\theta)P_{n-r}(cos\theta) \] が成立することが示されました。

線形代数(1)逆行列と行列式

自分の復習も兼ねて、線形代数の内容について大事な部分だけ解説していきます。

扱う予定の内容は以下の通りです。

1.逆行列、正則

2.行列式

3.対角化

4.連立1次方程式の行列を用いた解法

5.ジョルダン標準形

対象としては、数学を必ずしも専門としない学科の学生をイメージしています。

そのため、砕けた表現等を用いることがあるほか、多少議論が厳密さにかける場合があります。

今回は正則行列逆行列について説明します。

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束の分配不等式の証明

束の分配不等式の証明が少し調べたところ見つかりにくかった(というより日本語では見つけられなかった)ので、書いておこうと思います。

そもそも、束の分配不等式とは何かというと、任意の束の任意の元A,B,Cについて、

A \land (B \lor C) \geq (A \land B ) \lor (A \land C)

A \lor (B \land C) \leq (A \lor B ) \land (A \lor C)

が成り立つ、というものである。これが任意の組み合わせについて等号で成り立つとき、その束を分配束という。

確認だが、

A \leq B \Leftrightarrow A \land B =A または A \lor B=B

である。

また、この定義から

A \land B = \sup\{A,B\} , A \lor B = \inf\{A,B\}

であることが示される。 

では、実際に証明してみる。

第1式のみ証明する。

\leqの定義より、A\geq A\land BA\geq A\land C であるので、

A \geq (A\land B) \lor (A \land C)が成り立つ。

これは、Aが(A\land B)(A\land C)の上界に入っており、右辺は最小の上界であることから示される。

また、(B \lor C) \geq B \geq (A \land B)(B \lor C) \geq B \geq (A \land C)であるので、上と同様にして

(B \lor C) \geq (A\land B)\lor (A \land C)

が成り立つ。

したがって、示したい式の右辺はAとB \land Cの下界であり、左辺はAとB \land Cの最大の下界なので、(左辺)\geq(右辺)が成立する。

 第2式も同様にして示される。

なんだかなあ、と思うこと

このブログの最初の記事になります。よろしくお願いします。

 

早速ですが、因数分解を塾の生徒に教えているとすごく違和感を感じることがあります。

中学校の範囲では、

 \displaystyle 2x^2-5x-3 = (2x+1)(x-3)

のようないわゆるたすきがけの因数分解は指導要領外になっています。

しかし、中学の問題集を見ていると、

 \displaystyle 4x^2-12xy+9y^2 = (2x-3y)^2

のような因数分解は普通に出てきます。

 

これは、

 \displaystyle x^2-2xy+y^2=(x-y)^2

の公式を用いた因数分解だから指導要領内である、というロジックのようなのですが、個人的にはとても違和感を感じるところであったりします。

 

問題集の解答にも当然のように

「この形は

 \displaystyle x^2-2xy+y^2=(x-y)^2

 の公式を使う形なので・・・」

とか書いてあって頭を抱えたことがあったりなかったり。

 

(追記)

文科省の指導要領です。

第2章 各教科 第3節 数学:文部科学省