非加算無限集合
前回、加算非加算無限 - ほぼ数学科の大学生の備忘録。この記事の最後で実数全体の集合は非加算無限集合であるという話をしました。
今回は、対角線論法を用いたその証明をしたいと思います。
まず、区間からには全単射が存在します。例えば、
とすれば、gは全単射です。
従って、自然数全体の集合から区間に全単射がないことを示せばよいことになります(からに全単射があれば上の全単射と合成することでからへの全単射が作れますし、からに全単射がなければからに全単射があると上の全単射の逆写像と合成することでからに全単射が作れてしまい矛盾するからです)。
ここで、からに全単射fが存在するとします。このとき、
と書けます。この各に対して、2進数展開をします。つまり、
となるようなを考えます。ここで、各です。
このに対し、とします。但しはビット反転を表す記号で、0だったものを1に、1だったものを0にします。つまり、
となります。ここで、
とすれば、たしかにですが、どのともの桁の係数が違うので矛盾します。
以上よりからには全単射fが存在しなことが分かり、やは非加算無限集合であることが示せました。
このような論法(すべての要素から一つずつ取ってきたものを用いる方法)を対角線論法といいます。