ほぼ数学科の大学生の備忘録。

数学/物理の話をしていく…つもりだった……

束の分配不等式の証明

束の分配不等式の証明が少し調べたところ見つかりにくかった(というより日本語では見つけられなかった)ので、書いておこうと思います。

そもそも、束の分配不等式とは何かというと、任意の束の任意の元A,B,Cについて、

A \land (B \lor C) \geq (A \land B ) \lor (A \land C)

A \lor (B \land C) \leq (A \lor B ) \land (A \lor C)

が成り立つ、というものである。これが任意の組み合わせについて等号で成り立つとき、その束を分配束という。

確認だが、

A \leq B \Leftrightarrow A \land B =A または A \lor B=B

である。

また、この定義から

A \land B = \sup\{A,B\} , A \lor B = \inf\{A,B\}

であることが示される。 

では、実際に証明してみる。

第1式のみ証明する。

\leqの定義より、A\geq A\land BA\geq A\land C であるので、

A \geq (A\land B) \lor (A \land C)が成り立つ。

これは、Aが(A\land B)(A\land C)の上界に入っており、右辺は最小の上界であることから示される。

また、(B \lor C) \geq B \geq (A \land B)(B \lor C) \geq B \geq (A \land C)であるので、上と同様にして

(B \lor C) \geq (A\land B)\lor (A \land C)

が成り立つ。

したがって、示したい式の右辺はAとB \land Cの下界であり、左辺はAとB \land Cの最大の下界なので、(左辺)\geq(右辺)が成立する。

 第2式も同様にして示される。

なんだかなあ、と思うこと

このブログの最初の記事になります。よろしくお願いします。

 

早速ですが、因数分解を塾の生徒に教えているとすごく違和感を感じることがあります。

中学校の範囲では、

 \displaystyle 2x^2-5x-3 = (2x+1)(x-3)

のようないわゆるたすきがけの因数分解は指導要領外になっています。

しかし、中学の問題集を見ていると、

 \displaystyle 4x^2-12xy+9y^2 = (2x-3y)^2

のような因数分解は普通に出てきます。

 

これは、

 \displaystyle x^2-2xy+y^2=(x-y)^2

の公式を用いた因数分解だから指導要領内である、というロジックのようなのですが、個人的にはとても違和感を感じるところであったりします。

 

問題集の解答にも当然のように

「この形は

 \displaystyle x^2-2xy+y^2=(x-y)^2

 の公式を使う形なので・・・」

とか書いてあって頭を抱えたことがあったりなかったり。

 

(追記)

文科省の指導要領です。

第2章 各教科 第3節 数学:文部科学省